肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの大きく2つに分類されます。さらに非小細胞肺がんは、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんに分類され、日本においては肺がん全体の約60%が腺がんと診断されています。

肺腺がんの近年の研究により、それぞれ特有の遺伝子変異が存在する事が分かってきています。ALK融合遺伝子やEGFR遺伝子の変異をはじめ、その他にも様々な遺伝子変異のタイプが存在することが分かってきました。現在は、遺伝子変異をターゲットとした分子標的治療薬を使用した個別化治療も可能となってきました。

遺伝子検査について

非小細胞肺がんと確定診断された場合、遺伝子検査でALK融合遺伝子とEGFR遺伝子変異の有無を調べます。遺伝子検査は、確定診断の時に使った組織や細胞が用いられます。

ALK融合遺伝子とは?

ALK融合遺伝子とは?
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ALK融合遺伝子とは、ALK遺伝子とほかの遺伝子が何らかの原因により融合することで出来る特殊な遺伝子です。ALK融合遺伝子が体内に存在すると、癌細胞を増殖させるスイッチが常に働き、限りなく癌細胞が増殖してしまいます。ALK融合遺伝子は、非小細胞肺がんの約3~5%に認められ、その中でも特異的に腺がんに多くみられます。

ALK融合遺伝子は比較的新しい遺伝子変異のタイプです。EGFR遺伝子変異の検査を行っている場合でも、ALK融合遺伝子の検査を行っていないということもあります。その場合は、あらためてALK融合遺伝子の検査を行う必要があります。ALK融合遺伝子の変異がある場合は、その遺伝子を攻撃する分子標的治療薬であるザーコリとアレセンサでの治療が可能となります。

EGFR遺伝子変異とは?

EGFR遺伝子変異とは?
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癌細胞が増殖するためのスイッチのような役割を果たしているタンパク質がEGFRです。
EGFRは、癌細胞の表面にたくさん存在しています。EGFRを構成する遺伝子の一部であるチロシンキナーゼに変異があると、癌細胞を増殖させるスイッチが常に働き、癌細胞がどんどん増殖してしまいます。EGFR遺伝子変異の確率は男女で差がありますが、非小細胞肺がん全体の約30%に変異があると言われています。EGFR遺伝子変異がある場合は、以下の分子標的薬での治療が可能となります。

第1世代薬ゲフィチニブ(イレッサ)…2002年承認
エルロチニブ(タルセバ)…2007年承認
第2世代薬アファチニブ(ジオトリフ)…2014年承認
第3世代薬※オシメルチニブ(タグリッソ)…2016年承認

※タグリッソは、イレッサ・タルセバの耐性遺伝子(T790M)に特化して開発された世界初の抗癌剤です。イレッサ・タルセバの薬剤耐性ができた癌に対して使用されます。

遺伝子変異と治療の関係

肺がんの種類(組織型分類)について

検査や手術で採取した肺がんの細胞や組織を詳しく調べると、癌細胞やその集団の形に違いがあり、いくつかの種類に分類することができます。これを組織型と呼びます。

肺がんは、大きく小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分けられ、非小細胞肺がんはさらに、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんに分けることができます。

組織型分類発生場所特徴
非小細胞肺がん腺がん肺野部症状が出にくく、女性の肺がんに多い
扁平上皮がん肺門部喫煙との関連性が高い
大細胞がん肺野部増殖スピードが速い
小細胞肺がん小細胞がん肺門部喫煙との関連性が高く、転移しやすい

非小細胞肺がん

非小細胞肺がん
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非小細胞肺がんは、肺がんの約80%を占めています。非小細胞肺がんの多くは肺野部に発生し、初期症状が少ない癌であり、気管支や肺胞などの表面を覆う細胞に似た形状や性質を持っています。非小細胞肺がんの中で最も発症率が髙いのが腺がんで、全体の約60%を占めます。扁平上皮がんは、喫煙との関係が大きく、肺の入り口に近い太い気管支に発生します。非小細胞肺がんの中でも珍しいのが、大細胞がんです。増殖が速く、転移しやすいという特徴を持っています。非小細胞肺がんは、手術を中心とした治療が行われます。

小細胞肺がん

小細胞肺がん
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小細胞肺がんは肺がんの約20%を占めています。進行が速く、リンパ節や他の臓器(脳、肝臓、副腎、骨など)に転移しやすい悪性度の高い肺がんです。発見時には、すでに転移を起こしていることが多くあります。しかし、非小細胞肺がんと異なり、抗癌剤や放射線治療が比較的効きやすいタイプの癌です。

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