悪性リンパ腫の抗がん剤には多くの種類があり、病型によって通常4～5種類の抗がん剤を組み合わせる、多剤併用療法が行われます。入院や外来治療で行う抗がん剤治療は、基本的には3～4週間を1コースとして6～8コース行われます。多くの場合、大量の抗がん剤を投与するため、開始当日から治療後数か月にわたって様々な副作用が起こりますが、予測される副作用に対して可能な限り対策を立てて治療を行います。
リツキシマブは、B細胞の表面にあるCD20という分子を標的とする薬剤です。CD20は細胞の活性や増殖に関わり、がんになったB細胞に多く現れています。リツキシマブを投与することにより、このCD20を働かないようにさせて、がんが増殖できないようにします。CD20はB細胞の表面だけに出現するため、CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に使用されます。
がん細胞は活発に分裂・増殖している細胞です。その為、抗がん剤の効果が期待されます。しかし、正常細胞である髪の毛や血液を造る細胞や、腸の細胞も活発に活動しているので抗がん剤の影響を受けてしまいます。そのため、抗がん剤治療中のほとんどの患者さんに脱毛や食欲不振、下痢や便秘などの副作用症状が認められます。また、白血球の減少などの重篤な副作用が発現した場合は、治療を中断せざるを得なくなり、治療再会が困難となってしまいます。
また、悪性リンパ腫で使用される分子標的薬は、CD20というタンパク質に結びつくことによってその効果を発揮します。しかし、標的となる分子が変化してしまったり、標的分子に関連する分子が変化してしまうと、その効果を得られなくなってしまうことがあります。悪性リンパ腫の抗がん剤治療中の副作用を軽減させ、QOLを維持し、治療を継続するためには、抗がん剤の薬剤耐性がカギとなります。
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