口腔のがんには、口唇がん、舌がん、口腔底がん、頬粘膜がん、歯肉がん、唾液腺がんなどがあります。それぞれのがんのおもな治療法は以下のとおりです。
口唇がん
口唇がんは唇にできるがんで、主に外側の乾燥した部分にできるがんをさします。(口の内側の粘膜面にできるがんは「頬粘膜がん」にふくまれます。口唇がんの90パーセント以上は下くちびるに発生します。そしてそのほとんどが「扁平上皮細胞」と呼ばれ、表皮の最も外側にある保護膜のすぐ下にある細胞ががん化したものです。
舌がん
舌がんの大半は舌の表面を覆っている粘膜の上層にある扁平上皮細胞ががん化したものです。舌がんが最も生じやすい部分は舌の側面(舌縁部)で、次に舌の裏側、そして舌根です舌根にできるがんは、「中咽頭がん」にふくまれます。
口腔低がん
口腔低がんの大半(90パーセント以上)は、表面をおおっている「扁平上皮」と呼ばれる細胞に起こり、腺がんはまれです。口腔低がんは舌小帯に近い前方部分に多く発症します。
頬粘膜がん
頬粘膜がんは、口腔内の頬の粘膜面および、唇の内側の粘膜面、歯茎(歯肉)と頬の境界部分の粘膜、そして奥歯の後方(臼後部)の粘膜にできるがんをいいます。なかでも臼後部をふくむ後方部に多く発生します。ここにできるがんは容易に転移します。
歯肉がん
歯肉がんの治療後の経過は一般に不良です。これは、がんが隣接するあごの骨(顎骨)に極めて早期から浸潤するためです。又、あごや唇、口腔低(舌の下のU字型の部分)など柔らかい組織にもがんは浸潤し、あごや首のリンパ節への転移も患者の40パーセントにみられます。歯肉がんの大半は、表皮も最も上側にある扁平上皮細胞に生じます(扁平上皮がん)。
唾液腺
唾液腺にできる腫瘍には非常に多くの種類があります。(WHO=世界保健機関の分類では18種類)。それらの約80パーセントは耳下腺に現れます。残りの大半(約15パーセント)が顎下腺に生じ、舌下腺や小唾液腺にできる腫瘍は多くありません。
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