胃がん

胃がんは、診断や治療の進歩により治りやすいがんの1つといわれるようになりました。 一昔前に比べると罹患率、死亡率ともに大きく減少しています。しかし、進行した状態で発見された場合、治療が難しいこともあります。

胃がんは病期(ステージ)と全身状態により異なりますが、5年生存率は、1a期約93%、1b期約87%、2期約68%、3a期約50%、3b期約30%、4期約16%となっています。

胃がんでは、原発腫瘍の壁深達度(T:primary Tumor)、リンパ節転移の有無(N:regional lymph Nodes)、他臓器への転移の有無(M:distant Metastasis)で病期(ステージ)が決まります。これをTNM分類といいます。原発層の壁深達度、病気の進み方、全身状態、年齢、既往歴なども総合的に検討して治療方針を選択します。

胃がんを治すために今からできること

胃がんの病期分類(ステージ)

病期(ステージ) N:リンパ節転移
T:壁深達度 N0 転移なし N1 転移1-2個 N2 転移3-6個 N3 転移7個以上
T1:粘膜、粘膜下層
(M)(SM)
1a期 1b期 2a期 2b期
T2:筋層(MP) 1b期 2a期 2b期 3a期
T3:漿膜下層(SS) 2a期 2b期 3a期 3b期
T4a:漿膜(S) 2b期 3a期 3b期 3c期
T4b:周囲臓器へ浸潤 3b期 3b期 3c期 3c期
H1(肝臓転移)、P1(腹膜転移)、CY1(腹水)、M1(他臓器に転移)は4(a,b)期

胃がんの標準治療

胃がんの治療法は病期(ステージ)によって様々です。その治療法として内視鏡治療、外科手術、化学療法、放射線療法が行われています。

ステージ 治療法
1a T1粘膜がん、分化型、腫瘍径2cm以下、陥凹型は潰瘍形成なし 内視鏡的粘膜切除(EMR)
上記EMRが適応にならない粘膜がん 縮小手術(胃の2/3未満の切除+近くのリンパ節郭清)
T1粘膜下層までのがん 縮小手術(胃の2/3未満の切除+少し遠くのリンパ節郭清)
1b N1、腫瘍径2cm以下
N1、腫瘍径2.1cm以上 定型手術(胃の2/3以上の切除+遠くのリンパ節郭清)
T2、N0
2
3a T4を除く
T4、N0 拡大手術(定型手術+多臓器合併切除)
3b T3、N2 定型手術(胃の2/3以上の切除+遠くのリンパ節郭清)
T4、N1 拡大手術(定型手術+多臓器合併切除)
4 根治切除不能、切除不能 拡大手術、姑息手術、抗がん剤療法、放射線療法
再発例

胃壁は内側から粘膜(M)、粘膜下層(SM)、筋層(MP)、漿膜下層(SS)、漿膜(S)の5層構造になっています。

■内視鏡治療

早期胃がんで転移の可能性のきわめて低い粘膜までのT1(M)、粘膜下層までのT1a(SM)で2㎝以下のがんに適応されます。切除した胃がんを病理検査で十分検討した後、追加の手術が必要になる事もあります。

・内視鏡的粘膜切除術(EMR)
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

 

■胃がんの外科手術(腹腔鏡手術、開腹手術)

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は通常の開腹手術に比べ、体への負担が少なく術後の回復が早いことから、手術件数は増えています。ガイドラインでは、治療前診断において病期1期の幽門側胃切除が適応の場合は、治療の選択肢となります。しかし、リンパ節郭清が難しいことや合併症の発生率がやや高いことも指摘されています。

開腹手術 (定型手術、縮小手術、拡大手術)(非治癒手術)

・定型手術
胃の3分の2以上を切除して、第2群までのリンパ節郭清も同時に摘出する手術です。胃全体にがんがある場合や胃の入口側3分の1にがんがある場合は、進行がんであれば胃全摘手術が行われます。

・縮小手術
胃の切除範囲やリンパ節の摘出範囲を定型手術より縮小する手術です。

・拡大手術
他の臓器に浸潤した胃がんを浸潤臓器も含めて切除する手術と、D2以上のリンパ節郭清を行う手術です。

・非治癒手術
非治癒手術は、胃がんからの出血のため貧血が進行する場合や胃がんのために食事が通らなくなった場合には、症状を改善させるために胃の一部を切除したり、胃と腸を吻合するバイパス手術を行うことがあります。これらの手術の大きな目的は生活の質を少しでも改善することです。

 

■胃がんの放射線療法

放射線治療は進行がん、再発した胃がんなどに対する補助的な治療法として用いられます。胃がんの増大のため食物が通らず痛みが強い場合など、症状を軽減する目的で放射線治療が行われます。

 

■胃がんの化学療法

化学療法とは抗がん剤による治療のことで、広い範囲のがん細胞を攻撃する治療法です。

術前化学療法

手術前の診断でがんの周囲への浸潤やリンパ節転移が明らかで、手術でそれらの一部が遺残する可能性がある場合、手術前に抗がん剤治療を行うことを術前化学療法といいます。縮小させてから手術を行うことでより根治的な手術が可能になります。使用される抗がん剤はTS-1単剤もしくは、TS-1+シスプラチンの組み合わせが多く使用されています。

術後補助化学療法

手術後に再発予防のために行われる抗がん剤治療のことを、術後化学療法といいますステージ2期と3a期、3b期が治療対象になります。使用される抗がん剤はTS-1が標準治療薬となっています。場合によりシスプラチンを足すこともあります。単剤ではゼローダ、タキソール、タキソテール、イリノテカン、アブラキサンなども使用されます。

また、胃がんの10%~20%でHER2と呼ばれるたんぱく質が関与しているタイプがあります。HER2検査で陽性の場合は、乳がんで使用されているハーセプチンを併用した抗がん剤治療が可能です。

 

■胃がんの新薬情報

オキサリプラチン

平成26年9月より切除不能進行、再発胃がんに保険適用になりました。オキサリプラチンはシスプラチンに比べ大量輸液が不要で外来治療が可能となります。併用療法はCapeOXもしくは、SOX療法が安全性の面から推奨されています。

スキルス胃がん

スキルス胃がんは悪性度が高く、他の胃がんと比べ進行が早く、診断されたときには腹膜播種と呼ばれる転移が高い割合で起こります。がん細胞が粘膜の下に潜るように広がりながら増えていくため、早期の発見が難しいといわれています。

スキルス胃がんの治療は、標準治療が確立されていないため、胃がん治療のガイドラインに準じて治療されます。スキルス胃がんも基本的には手術が第1選択となりますが、腹膜転移がある場合は、手術が難しいため抗がん剤治療が選択されます。

胃がんと抗がん剤治療

胃がんに使用できる抗がん剤は、徐々に増えてきていますが、まだまだ種類が少ない現状にあります。しかし、新たな分子標的薬の登場で胃がんの抗がん剤治療にも期待が高まってきました。胃がんの治療をスムーズに行い、抗がん剤の効果を発揮させるためにはQOLを保つことも重要です。

そして、抗がん剤の副作用を最小限に抑え、薬剤耐性を防ぐことが、胃がんの抗がん剤治療を予定通りに行う最善の方法です。その唯一の方法が低分子化フコイダンと胃がんの抗がん剤治療を併用した「統合医療」なのです。

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■関連項目

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