胃がんの治療は主に内視鏡的切除、手術、化学療法が選択されます。基本的には胃がんのガイドラインに添って治療が行われますが、患者さんの年齢、体調、既往歴も考慮した上で治療方法が決められます。

内視鏡的切除

内視鏡的切除は、リンパ節転移の可能性が極めて低い早期の胃がんで行われます。手術に比べて体への負担が少なく、胃も残せるので食生活への影響も少なくて済みます。

内視鏡的切除には、内視鏡の先端からスネアという輪状の細いワイヤーをかけて切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)と、高周波ナイフで粘膜下層から病変をはぎ取るように切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の2つの方法があります。

内視鏡的切除の合併症

合併症が起こる確率は低いですが、切除に伴う出血、胃の壁に穴が開く穿孔も報告されています。治療後に吐き気や腹痛、めまいなど体調の変化を感じたら、すぐに主治医や看護師に伝えましょう。

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手術(外科治療)

遠隔転移がなく、内視鏡治療の適応にならない胃がんが手術の適応となります。
手術の方法としては、開腹手術と低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット手術)があり、がんの進行度によって推奨される手術は異なります。
また、治癒が望めない症例に対して行う緩和手術や減量手術もあります。

胃を切除する範囲は、がんのある部位と進行度によっても異なります。


1)腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術は、おなかに5~10mmの小さな傷をつけて、そこからおなかの中に器具を入れてカメラを見ながら手術をします。
開腹手術と比べて傷が小さくすみ、術後の痛みも少なく、入院期間が短いというメリットがありますが、腹腔鏡下手術を習得するのに経験を要するため、病院によって技術の差が出ています。

2)ロボット手術

ロボット手術は、腹腔鏡下手術とほぼ同じ傷で手術を行うことができます。
腹腔鏡下手術と同様、ロボットアームに手術器械を固定します。術者はコンソールとよばれる場所から遠隔操作で執刀します。
ロボット手術では、開腹手術や腹腔鏡下手術では届きにくかった部位の切除や、手振れ防止機能、高精細3D画像により腹腔鏡下手術よりも繊細で安全性の高い手術が期待できます。
しかし、手術中にトラブルが発生した場合の対処は経験の浅い術者や病院では難しいとされているので、必ず症例数や実績を確認することが大切です。

3)開腹手術

腹部を開いて医師が感触を確かめたり、目で確認しながら切除する方法です。


手術の合併症

手術の時に消化管を縫い合わせたところがうまく繋がらず、そこから消化液などが漏れる縫合不全、膵臓の周りのリンパ節郭清を行った時に、一時的に膵液が漏れ出す膵液漏などがあります。

▼手術後の注意点▼
胃の切除後はダンピング症候群や逆流性食道炎が起こりやすくなるため、食生活には注意が必要です。1回の食事量を少なくして、よく噛んでゆっくりと食べましょう。

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薬物療法(化学療法)

胃がんの薬物療法には、手術が難しい進行・再発胃がんに対する化学療法、手術後に再発予防の目的で行われる術後補助化学療法、そして手術ができる場合であってもリンパ節転移があり、術後の再発リスクが高いと考えられる場合には術前補助化学療法が行われることもあります。

1)進行・再発胃がんに対する化学療法

現在、日本では進行・再発胃がんの患者さんに対して、がん細胞の表面にHER2タンパクが発現しているかを確認し、その結果によって使用する薬剤が決められます。

2021年には免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブと化学療法の併用が承認され、一次治療からニボルマブ(オプジーボ)の使用が可能になりました。ニボルマブと化学療法の併用では、PD-L1の発現レベルを示すCPSが5以上の場合の奏効率がとても高く、一次治療開始前に可能な限りPD-L1検査を行いCPSを確認することが望ましいとされています。
そして、CPS5未満の患者さんに対しては、今後、治療薬が無くなってきた時のためにニボルマブを残しておくことを考慮し、化学療法単独か、ニボルマブ併用を検討することが推奨されています。

化学療法では、まずは一次化学療法が行われ、効果が得られない場合は二次、三次化学療法へと治療が進んでいきます。

一次化学療法

HER2陰性でCPS5以上の場合
・SOX療法(S-1+オキサリプラチン)+ニボルマブ
・CapeOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン)+ニボルマブ
・FOLFOX療法(オキサリプラチン+レボホリナート+フルオロウラシル)+ニボルマブ
HER2陰性でCPS5未満の場合
・S-1+オキサリプラチンまたはシスプラチン
・カペシタビン+オキサリプラチンまたはシスプラチン
・FOLFOX療法

※HER2陰性でCPS5未満の場合も、HER2陰性でCPS5以上の薬剤を選択されることもあります。

HER2陽性の場合
・カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ
・XELOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン)+トラスツズマブ
・SOX療法(S-1+オキサリプラチン)+トラスツズマブ
・S-1+シスプラチン+トラスツズマブ

二次化学療法

一次化学療法で効果が得られなかった場合、二次治療に入る前にMSI検査とよばれるがんの遺伝子検査が推奨されています。

MSI陰性の場合
・パクリタキセルまたはnab-パクリタキセル+ラムシルマブ
MSI陽性の場合
・ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)

三次化学療法

これまでの化学療法で使われていない薬剤から選択されます。

HER2陰性の場合
・ニボルマブ(一次治療で使っていない場合)
・イリノテカン
・トリフルリジン・チピラシル
HER2陽性の場合
・ニボルマブ
・トラスツズマブ・デルクステカン
・イリノテカン
・トリフルリジン・チピラシル

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2)術前補助化学療法

手術をしても術後の再発リスクが高いと判断された場合など、術前補助化学療法が行われます。しかし、抗がん剤の効果を示さなかった時や、重篤な副作用が発生した場合、手術のタイミングを逃してしまう可能性もあります。

術前補助化学療法で主に使われる抗がん剤
・S-1+オキサリプラチンまたはシスプラチン

3)術後補助化学療法

胃がんの手術後、再発を予防するために術後補助化学療法が行われます。

術後補助化学療法で主に使われる抗がん剤
・S-1
・S-1+ドセタキセル
・CapeOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン)

薬物療法の副作用

シスプラチンなどの細胞障害性抗がん剤は、正常な細胞にも影響を与えてしまいます。そのため、吐き気や下痢など症状として出てくる副作用のほか、骨髄抑制や肝機能の低下など、血液検査をして初めてわかる副作用もあります。
投与する薬剤によって現れる副作用は異なるため、ご自身が使う抗がん剤にどのような副作用があるのかを治療前に確認しておくことも大切です。

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「治療薬が無い」「残りの薬が少ない」といわれたら

主治医から「治療の手立てがありません。」と言われ、諦めてしまってはいませんか?そんな状況でも、まだ治療方法が残っている可能性があります。

それを調べる方法ががん遺伝子パネル検査です。

がん遺伝子パネル検査とは?

HER2タンパクと同じように、がんの組織や血液を使って、がん細胞の数十~数百の遺伝子変異を確認します。遺伝子変異が確認された場合、これまで使ってきた薬とは別の効きやすい薬がわかることもあります。

効果が期待できる薬がある場合、臨床試験なども含めて使用を検討できます。

保険診療で遺伝子パネル検査は受けられる?

下記を満たしている場合、保険適応となります。

1,標準治療がない固形がん
2,局所進行または転移があり、標準治療が終了した固形がん


がん遺伝子パネル検査について、主治医から提案されないということも少なくありません。使える治療薬がなくなってきたら、患者さん自身から「がん遺伝子パネル検査を保険で受けられるようになったら受けたいです。」と意思表示をしておくことも大切です。

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お問い合わせ先

NPO法人日本統合医療推奨協会では、フコイダン療法やがん統合医療についての無料相談窓口を設置しております。
臨床に基づいた飲用方法、がん治療についてのお悩みがございましたら、お気軽にご相談下さい。

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