小児の脳腫瘍には以下にみるように様々な種類があります。多くは悪性ですが、なかには良性の腫瘍もあります。
■神経膠腫(グリオーマ)
小児と若年者に生じる代表的な悪性腫瘍で、「脳のがん」にあたります。成人では大脳のグリア細胞が、がん化しますが、子供では、多くが小脳と脳幹のグリア細胞が、がん細胞に変わります。小児の神経膠腫は、がんの発生場所によってさらに「小脳星細胞腫」「脳幹神経膠腫」「大脳神経膠腫」などに分けられます。
■小脳星細胞腫
これは小脳に腫瘍ができますが、神経膠腫の中では例外的に悪性度が低く、初期に手術を行なって腫瘍を摘出すれば治癒することもあります。この腫瘍を発症すると、脳圧が高くなるために頭痛や吐き気・嘔吐などが現れます。また、両足を開いてフラフラと歩く失調性歩行障害もみられます。
■脳幹神経膠腫(脳幹グリオーマ)
脳幹は、大脳や小脳jからの神経が集まり、また脊髄に向かう神経がここから発している非常に重要な場所です。意識や呼吸の中枢もここにあります。そのため脳幹にがんが生じると、水頭症だけではなく、手足の運動神経の麻痺、顔面神経の麻痺、眼球の運動障害なども同時に現れます。鼻声になったり、食べ物を飲み込むことが難しい(嚥下困難)などの症状も生じます。小児期、とくに5~10歳ころの40パーセント以上が脳幹に発生ます。
■大脳神経膠腫(大脳グリオーマ)
これは成人の神経膠腫と基本的には同じです。このうち特に膠芽腫は、非常に悪性度の高い腫瘍です。
■髄芽腫
主に5~9歳の小児の脳に発生します。悪性で脳圧が高まるために、非常に速い時期から強い頭痛、吐き気・嘔吐などの症状がみられます。そしてまもなく歩行障害が現れます。脳の内部で転移が起こりやすいという性質があります。
■胚細胞腫瘍
脳の中心部にある松果体および脳下垂体の近くに生じる腫瘍で、母体の中にいたとき以来の未成熟の生殖細胞(胚細胞)が腫瘍細胞になります。細胞がどの様に分化していったかによって、良性のものから非常に悪性度の高いものまで様々です。
おもに9~20歳の小児および若年者が発症に、その70~80パーセントは男子です。松果体に腫瘍が発生すると、脳圧が高まることによる様々な症状のほか、上の方が見えにくくなるという特徴的な症状も現れます。症状がさらに進むと歩くときにふらつく、耳が聞こえにくい(視力障害)、尿の量が増える、視野が狭くなる(視野狭窄)などが起こります。
■視神経膠腫
視神経(外部から目に入った光の情報を脳に送る神経)にできる良性の腫瘍で、おもに3~7歳の小児が発症します。腫瘍が生じる場所によっては症状の出方が異なります。腫瘍が眼球の入っている片方の穴(眼窩)の中の視神経に生じたときには、その視力に異状が生じ、さらに眼球が飛び出します。また脳内の視神経が交差する場所などに生じると、両目が見えにくくなり、水頭症も発症します。この腫瘍は非常にゆっくりと進行するため、患者が体の異常を訴えて診断したときには、かなり進行していることがあります。
■脈絡叢乳頭腫
5歳以下の乳幼児の脳内の脈絡叢(脳脊髄液)をつくって分泌する毛細結果に富む組織)に生じる腫瘍です。腫瘍ができると脳脊髄液が過剰に生産されるので、頭部の肥大化や吐き気・嘔吐など、水頭症の症状が現れます。しかしこの腫瘍は治療後の回復をある程度望むことができます。
■頭蓋咽頭腫
脳の下垂体と視神経が接触する部分にできる腫瘍(良性)です。下垂体から成長ホルモンや抗利尿ホルモンが十分に分泌されなくなり、成長が遅れる、異常に尿が多いなどの障害が現れます。腫瘍によっては視神経が圧迫されて目が見えにくくなることがあります。
小児脳腫瘍の標準治療
小児の悪性脳腫瘍の治療は一般に容易ではありません。その最大の理由は、成人の悪性脳腫瘍と同じように、脳が人間にとって非常に重要な臓器であり、また頭蓋という閉鎖された空間に閉じ込められているため、外科的な切除に難しさが伴うからです。
それぞれの小児脳腫瘍の治療法は以下のとおりです。
■神経膠腫
治療はおもに放射線照射を用います。これによって一時的に病巣が縮小したり症状が消失することもあります。しかし、明らかな治療効果は得られず、ほとんどが1年前後で死に至ります。
■小脳星細胞腫
手術によって完全に摘出できれば、再発は抑えられるとされています。
■髄芽腫
外科手術と放射線治療や化学療法の適切な組み合わせによって、近年治療成績が著しく向上しています。
■胚細胞腫瘍
80パーセント以上の患者が放射線治療のみの治療で治癒します。また、奇形腫は手術によって完治します。その他のがんは、化学療法と放射線治療を組み合わせます。
■視神経膠腫
腫瘍が片方の眼窩にとどまっており、手術で病巣を完全に摘出できた場合は、治療後の生存率は高くなります。
■脈絡叢乳頭腫
増殖が遅く、悪性度の低い腫瘍であるため、治療は手術による摘出が原則となります。
■頭蓋咽頭腫
良性腫瘍なので、手術によって完全に摘出できれば完治します。がん細胞が残った場合は放射線治療を追加します。これらのがんの治療は主に手術によるものですが、脳への外科手術は容易ではないこと、切除の範囲よっては脳の働きに重大な障害が生じるなどの大変危険なリスクが伴います。放射線治療もまた、周りの正常な脳にも障害が起こる可能性があります。
■化学療法について
化学療法とは、抗がん剤を投与してがんを殺す治療法です。
しかし抗がん剤治療には吐き気・嘔吐・脱毛など様々な副作用が伴います。西洋医学を柱として、代替医療を取り入れる選択肢もあります。
■フコイダン療法
がん治療において現代医学を補完する目的で、2004年から吉田医院の吉田年宏院長が取り組まれているのがフコイダン療法です。がん細胞の遺伝子変化に着目し、特に抗がん剤との併用で成果が上がっています。また、末期患者のQOL(身体的、精神的、社会的に自分自身が満足のいく健康状態)改善を図り、積極的な治療ができる状態に戻す意味においても評価を受けています。
小児脳腫瘍と抗がん剤治療
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