北摂総合病院「抗がん剤治療中の食事の取り組み~入院中の喫食率低下を防ぐために~」

9月18日に北摂総合病院で行われた公開講座へ行ってまいりました。

今回は、「抗がん剤治療中の食事の取り組み」というテーマを基に、管理栄養士の山崎純子先生が北摂総合病院で実際に行っている取り組みについてお話しをしてくださいました。 今回お話しをして頂いた対策方法について、具体的にご紹介していきたいと思います。

■抗がん剤治療中の症状にちなんだ食事について 抗がん剤治療中は副作用の影響で”体重減少・嘔気や嘔吐・味覚障害・飲み込みにくい、むせやすい”といった症状が現れ、また、食事の匂いや抗がん剤の副作用による味覚障害によって食欲不振を招くこともあり、入院中のQOLの低下に繋がります。

そして、それぞれの抗がん剤の副作用に対して、北摂総合病院では次のような取り組みが 行われています。

【体重減少】体重減少はがん患者さんの約半数に見られる症状であり、治療を続けていく為には、十分なたんぱく質とエネルギーを効率よく摂ることが大切になってきます。少ない量で高い栄養を摂ることができる栄養補助食品も手段の1つとして取り入れているようです。 【嘔気や嘔吐】抗がん剤の副作用により、食べ物の匂いが嘔気や嘔吐を誘発することがあります。そんな時は、水分の多い果物や野菜などの刺激や匂いの少ない食事を摂ることが重要です。どうしても食べられない時は水分だけでも補給し、脱水症状に注意する必要があります。

【味覚障害】塩味やしょうゆに対して苦みや金属味を感じる場合は、だしを効かせたり、香りや酸味を利用しています。何を食べても甘く感じる場合は、砂糖やみりんを使用せず、塩・しょうゆ・みそなどで濃い目の味付けにすると良いそうです。味が感じられない場合は、酸味を利用し、味にインパクトを与えるようです。

【飲み込みにくい・むせやすい】飲み込みにくい、むせやすいといった症状が出た時は、やわらかく煮込んで食べやすくします。飲み物も、とろみを付けて飲み込みやすくします。固形物などはミキサーにかけてペースト状にすることもあります。誤嚥を防ぐために、40度~60度程度に上体を起こして食べることも大切です。

北摂総合病院では、事前にアンケートを実施し、患者さんの好みに合わせたメニューを採用しており、当日にメニューから食べたいものをセレクトしてもらう「セレクト食」が導入されています。組み合わせは自由で、量や大きさ等細かい要望にも対応しているそうです。

このセレクト食の導入により、個々の患者さんの体調に合わせて食事が提供できるので、北摂総合病院では、病院食による満足度・喫食率も向上したそうです。やはり、調理師が一方的な出し方をするのではなく、直接ベッドサイドで細かな要望を聞き取り、その意見を反映した料理を提供するというスタイルが患者さんにとっても満足のいく対応・食事に繋がるのだと思います。多くの病院で、調理師と患者さんが直接コミュニケーションをとる機会が増えていくと、更に多くの患者さんにおける食事の満足度、喫食率の向上につながるのではないかと感じました。

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