2025年度-九州大学最新研究報告

2025年10月に低分子化フコイダンの最新研究報告会が開催されました。 今回、九州大学の照屋輝一郎先生より、温熱療法と低分子化フコイダンの併用についての発表がございました。 低分子化フコイダンのこれまでに報告されている作用については、こちらのページをご覧くださいませ。

低分子化フコイダンと温熱療法の併用について

現在、薬物療法や放射線療法と併用で使われている温熱療法と、低分子化フコイダンを併用することで、がん細胞増殖抑制に及ぼす効果の検証が行われました。

温熱療法とは?

“がんは熱に弱い”という性質を利用し、熱によってがん細胞を死滅させる治療方法です。
早期がんだけでなく、再発や転移性のがんなど、適応の範囲が広く、公的保険が適用されるなど、現在では多くのがん患者さんが利用されている治療方法の1つです。

※一定の条件を満たす必要があります。詳しくは医療機関にお問い合わせください。

検証1:温熱処理による正常細胞およびがん細胞に対する影響

この検証では、温熱処理をする前の正常細胞およびがん細胞の生細胞数と、温熱処理後の正常細胞およびがん細胞の生細胞数の変化の確認を行いました。

人間の深部体温が37℃のため、基準は37℃とされております。
温熱処理の温度に関しては、2種類のがん細胞由来細胞(HCT116細胞・HT1080細胞)に温熱処理を行い、約半数のがん細胞が死滅する42℃で検証が行われました。

正常細胞に対しては、温熱処理前と温熱処理後で生細胞数を比較したところ、変化はありませんでした。
このことから、温熱療法は正常細胞に対しては影響を及ぼさないということが示されました。

次にがん細胞に対してですが、HCT116(ヒト大腸がん由来細胞)、HT1080(ヒト線維肉腫由来細胞)、MCF-7(ヒト乳がん由来細胞)の3種類の細胞を用いて検証が行われました。
HCT116細胞とHT1080細胞に関しては、温熱処理前と比べて温熱処理後は顕著に生細胞数が減少しました。
一方、MCF-7細胞では変化はほぼ見られませんでした。
このことから、温熱処理は全てのがん細胞が42℃で死滅するわけではないことが示され、がん細胞によって効果的な温度が異なると考えられます。

検証2:温熱処理と低分子化フコイダン処理の併用による正常細胞およびがん細胞に対する影響

この検証では、検証1に低分子化フコイダン処理を追加した場合の正常細胞およびがん細胞に対する影響の確認が行われました。

(1)温熱処理を行わず、低分子化フコイダン処理のみの場合

正常細胞では、低分子化フコイダン無添加よりも、添加した時の方が生細胞数は増加しました。
低分子化フコイダンの濃度を高くしても、生細胞数には変化は見られませんでした。
がん細胞においては、HCT116細胞・HT1080細胞・MCF-7細胞ともに低分子化フコイダンの濃度を高くするにつれて、生細胞数の減少が見られました。

この結果から、低分子化フコイダンは正常細胞には影響を及ぼしませんが、がん細胞に対しては増殖抑制効果があることが示されました。

(2)温熱処理と低分子化フコイダンを併用した場合

正常細胞は、(1)と同じような結果が出ました。
低分子化フコイダン処理をしていない状態で42℃に温熱処理を行った場合も、基本の37℃と生細胞数に変化はありませんでした。そこに低分子化フコイダン処理を行った場合、添加した時の方が生細胞数は増加しますが、低分子化フコイダン濃度を高くしても、その後の生細胞数に変化は見られませんでした。

この結果から、温熱療法と低分子化フコイダンを併用した場合でも、正常細胞に悪い影響は与えないことが解りました。

HCT116細胞では、まずは低分子化フコイダン処理をしていない状態で42℃に温熱処理を行った場合、37℃の時と比べて明らかに生細胞数の減少が見られました。
そこから、低分子化フコイダン処理を行った結果、低分子化フコイダンの濃度が高くなるほど生細胞数の減少が確認されましたが、生細胞数の減少具合は低分子化フコイダン単体処理の時とほぼ変化はないため、相乗効果が期待できるような結果は得られませんでした。

HT1080細胞においても、HCT116細胞と同様に低分子化フコイダン処理をしていない状態で42℃に温熱処理を行った場合、37℃の時と比べて生細胞数の減少が見られました。
そこから、低分子化フコイダン処理を行った結果、低分子化フコイダンの濃度が高くなると生細胞数も大きく減少しました。低分子化フコイダン単体処理の時と比べても生細胞数の減少具合が高い結果となり、相乗効果が期待できるという結果が得られました。

MCF-7細胞に関しては、検証1の温熱処理単体の場合は生細胞数に変化はありませんでしたが、低分子化フコイダン処理を併用することで、低分子化フコイダンの濃度依存的に生細胞数は減少しました。
しかし、低分子化フコイダン単体処理時の方が生細胞数の減少が大きく、相乗効果は期待できないという結果になりました。

この検証から、温熱療法と低分子化フコイダンの併用にはマイナス要素はないが、がん細胞の種類によって温熱処理時の低分子化フコイダンの効き方が異なるのではないかと考えられます。
そこで、熱によって活性化されるHSP(ヒートショックプロテイン)に着目し、さらなる検証を行いました。

検証3:温熱処理と低分子化フコイダン併用によるHSPの発現変化

この検証では、「温熱処理を行った時」、「LMF処理を行った時」、「温熱処理とLMF処理を併用した時」のHSPの発現変化を3種類のがん由来細胞(HCT116細胞・HT1080細胞・MCF-7細胞)を使って調べました。

HSP(ヒートショックプロテイン)とは?

HSPは熱などの外敵刺激やストレスによって活性化し、傷ついたタンパクの修復やストレス防御、免疫力増強などの働きのあるタンパク質です。HSPにはHSP32、HSP710、HSP90など様々な種類がありますが、その中でもHSP90が、がんの生存や増殖、熱の影響でアポトーシスすることを抑制、抗がん剤耐性の獲得など、がん細胞にとってプラスの働きをしていることから、今回はHSP90で検証が行われました。

(1)温熱処理後のHSP90の発現変化

HCT116細胞、HT1080細胞、MCF-7細胞に対して、温熱処理を行っていない37℃ではHSP90は発現していません。
次に、それぞれの細胞に42℃の温熱処理を行い、0、1、2、4、6、8、17時間後にRNAを回収してRT-qPCRでHCT90の発現量を調べ、どのように変化するのかを観察しました。
HCT116細胞は、温熱処理直後がHSP90の発現量が温熱未処理と比べても約8倍まで増大し、時間の経過と共に減少していきました。
HSP90の発現保持時間は6時間でした。

HT1080細胞は、温熱処理直後も多少上がりますが、発現量のピークは温熱処理を行った2時間後でした。
温熱未処理の約6倍でピークに達し、4時間後には大幅に減少しました。
HSP9の発現保持時間はピークから2時間でした。

MCF-7細胞は、温熱処理直後にHSP90が温熱未処理の約4倍に上昇したのがピークのため、発現量は多くはないですが、HSP90の発現保持時間が8時間と一番長い結果となりました。

(2)低分子化フコイダン処理後のHSP90の発現変化

低分子化フコイダン処理を行った時のHSPの発現変化を観察しました。今回は時間ではなく、低分子化フコイダン処理濃度で検証が行われました。

3種類のがん由来細胞ともにHSP90の発現変化はほぼ見られませんでした。

(3)温熱処理と低分子化フコイダン処理の併用によるHSP90の発現変化

HCT116細胞とHT1080細胞に関しては、42℃に温熱処理を行った時にHSP90が発現しましたが、そこに低分子化フコイダン処理を行うとHSP90の発現量に減少が見られ、さらに低分子化フコイダンの量を多くすると、さらに減少していきました。

しかし、MCF-7細胞に関しては42℃の温熱処理を行った時にHSP90が発現し、そこに低分子化フコイダン処理を行ったところ、HSP90の発現量が増えるという結果になりました。

検証1~3のまとめとして、低分子化フコイダンと温熱療法併用によるがん細胞増殖抑制効果は、がん細胞によって異なることが解りました。
しかし、HSP90はがん細胞の生存や増殖を助けていることは解っているため、HSP90を低分子化フコイダンで阻害することで、温熱療法のがん細胞増殖抑制効果を増大できる可能性が示唆されました。

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