第173回 市民医学講座

6月19日大阪市立大学の市民医学講座に参加して参りました。
「ゲノム研究の最先端:病気の原因探索と治療への応用」でした。

大阪市立大学 大学院医学研究科細胞機能制御学の広常真治先生のお話でした。
ゲノムとは、ひとつの生物がもつ遺伝情報全体のことです。生き物はそれぞれの種に固有のゲノムをもっています。ヒトゲノム情報は解読することでさまざまな仕組みを解き明かすことができます。また、病気の原因探索や治療に応用できると考えられ、世界規模で1990年にヒトゲノム計画が開始されました。そして、1996年にヒトゲノムの大量解読、1999年にヒト染色体21番解読、2001年にヒトゲノムの原稿完成、2003年にヒトゲノム計画は完成されました。

ヒトの全ゲノム塩基配列の解明が完了し、私たちは人体をつくり上げるための設計図を手に入れました。この設計図がどのようにヒトの命につながっているかの研究が世界規模で進められています。そして今、ゲノム研究の成果は広い分野で利用されはじめています。病気の診断や治療薬の開発など新技術の開発が進んでいます。同じ環境でも病気になる人とならない人があり、薬の効果にも個人差があります。こうした違いはゲノムの個人差と関係することがわかってきました。

当初、ゲノムの解析に時間は11年、費用は3000億円かかっていました。研究が進み2013年には、時間は約1日、費用は約30万円までになりました。2020年頃には、時間は約1時間、費用は約1万円位になるそうです。そして、近い将来には個人のゲノムを調べることでその人に合った最適な治療を行ったり、その人に合う薬を選べる個別化医療の時代が訪れようとしています。つい最近では、アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査でBRCA1の遺伝子異常が見つかり乳がん予防のため両乳房切除・再建手術を受けたことを公表し、世界に衝撃を与えました。

しかし、こうした研究が行われるにあたっては、多数の提供者からの試料の提供が必要であり、またその研究成果が個人の遺伝情報をも明らかにすることから、これまで以上に多くのさまざまな問題が生じることが懸念されます。ヒトゲノム研究およびその成果の応用は、人間の生命や生活についての考え方を大きく変化させることが考えられます。社会的にきわめて大きな影響を与える可能性があることから、人権擁護や倫理問題への取り組みも慎重な検討が(規制も含めて)必要です。

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