大腸がんでは、治療を行う前にPET/CTなどの画像検査や生検を行い、病期(ステージ)を確定します。この検査により出た病期を臨床病期と言います。大腸がんの治療方法は、臨床病期に基づき決定され、内視鏡手術または外科手術が選択されます。

大腸がんの病期(ステージ)分類

大腸がんと確定した場合、次に必要となる項目が病期(ステージ)です。大腸がんが転移を起こしているのか、がんの拡がりを知るために画像検査や生検が行われます。この検査の結果から臨床病期(ステージ)が決まり、治療方法が決定されます。病期分類は、日本の大腸がん取り扱い規約に基づいて進行度の判定がされます。

大腸がんの病期を確定するためには、国際的に最もよく用いられているTNM分類を使用します。

大腸がんの病期分類

大腸がんのTNM分類

悪性腫瘍の病期分類に用いられる指標の一つであるTNM分類ですが、大腸がんにおいてもこの分類方法が主となります。大腸がんの壁深達度(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔臓器への転移状況(M因子)で分類されます。

● 大腸がんの壁深達度(T因子:primary Tumor)

大腸の壁は、内側から粘膜(M)粘膜下層(SM)固有筋層(MP)漿膜下層(SS)漿膜(SE)の5つの層に分かれております。深達度はTis~T4bに分類され、数字が大きくなるほど大腸がんの深達度は高いとされています。

TX  原発腫瘍の評価が不可能である

TO  原発腫瘍を認めない

Tis  上皮内、粘膜固有層に浸潤している

T1  大腸がんが粘膜下層に浸潤している

T2  大腸がん固有筋層に浸潤している

T3  大腸がん漿膜下層、漿膜被覆のない結腸あるいは直腸の周辺組織に浸潤している

T4  他の臓器または組織に直接浸潤しているか、臓側の漿膜を越えている

T4a  大腸がんが臓側腹膜を貫通している

T4b  他の臓器または組織に直接大腸がんが浸潤している

● 大腸がんのリンパ節への転移(N因子:regional lymph Nodes)

NX  所属リンパ節転移の有無が不明である

N0  所属リンパ節への転移なし

N1  所属リンパ節転移が1~3個

N2  所属リンパ節転移が4個以上

N3  主リンパ節に転移、または下部直腸がんの場合は側方リンパ節に転移がある

● 大腸がんの肝臓や肺等への遠隔転移(M因子:distant Metastasis)

M0  遠隔転移なし

M1  遠隔転移あり

TNM分類の数値にXを付ける場合があります。この文字は、分類しないあるいは分類不能を指します。N因子のNXはリンパ節転移の有無が不明であることを意味します。

大腸がんを治すため今からできること

大腸がんの病期(ステージ)別治療方針

大腸がんの病期(ステージ)別治療方針

大腸がんの病期(ステージ)が決まると、次は治療方針を決定します。大腸がんでは、基本的に内視鏡手術または外科手術が選択されますが、進行度によっては、手術前に抗癌剤治療が優先される場合もあります。また、術後経過観察の場合もありますが、再発予防などのために術後補助療法として抗癌剤治療が行われることもあります。

● ステージ0期の治療方針

ステージ0期の治療方針

大腸がんのステージ0期の場合は、癌細胞が粘膜内に留まっているため、内視鏡によって大腸がんを切り取る治療をします。内視鏡手術で採取した細胞を調べ、最終的な病理病期でもステージ0の場合は、術後の化学療法(抗癌剤治療)は行われません。

● ステージ1期の治療方針

ステージ1期の治療方針

大腸がんのステージ1期で、大腸の壁への浸潤が軽いものに対しては、ステージ0期同様、外科手術ではなく内視鏡で癌を切除する治療を行います。

しかし、粘膜下層に深く浸潤していたり、2cmを超える大きさの癌は、内視鏡治療では取り残してしまう可能性やリンパ節転移を起こしている可能性もあるため、外科手術が選択されます。外科手術により、病変部分を含む大腸と転移の可能性がある範囲のリンパ節を切除します。

● ステージ2~3期の治療方針

ステージ2~3期の治療方針

ステージ2期、ステージ3期の大腸がんでは、外科手術によって病変を含む大腸と転移の可能性がある範囲のリンパ節切除します。手術前の検査から予想される臨床病期に応じて、リンパ節の切除範囲を決定します。大腸がんの手術では、標準的なリンパ節郭清を行った場合、手術後に合併症などの障害が生じる事はほとんどありません。

最近は、皮膚の何カ所かに小さな穴を開け、そこから腹腔鏡という特殊なカメラや手術器具を挿入して癌を切除する “腹腔鏡手術” という方法も積極的に行われています。手術後の病理検査で、切除したリンパ節に大腸がんの転移があると診断された場合は、再発予防のために化学療法(抗癌剤治療)が推奨されます。

● ステージ4期の治療方針

ステージ4期の治療方針

大腸がんが肝臓や肺、腹膜などに転移していれば、ステージ4に分類されます。大腸の原発巣と転移巣の両方を切除できる場合は、外科手術によって切除します。ただし、多発転移を起こしている場合は、大腸がんの進行度が高いと考えられるので、完全に切除することは困難です。その場合は、抗癌剤治療が行われます。

腹膜転移に対しては、他の臓器に転移が無く、腹膜内の限られた範囲にのみ癌が存在する場合、切除も可能です。一般的にステージ4と分類される大腸がんの多くは抗癌剤治療が行われます。

大腸がんの抗癌剤治療について

大腸がんの抗癌剤治療について

近年、大腸がんにおける抗癌剤の治療の成績はとても高くなっています。手術不可能な状況であっても、抗癌剤の著しい効果が得られた場合は、腫瘍が縮小し手術が可能となる例も増えてきています。すなわち、完治が難しいと言われても、諦めることは無いということです。

大腸がんの抗癌剤治療で使用する薬剤の組み合わせは複数あります。患者さんの全身状態、合併症の有無、腫瘍の状態などからどの抗癌剤を使うのか等の治療方針が決定されます。

大腸がんの抗癌剤治療について

大腸がんでは、1次治療から4次治療まで抗癌剤の選択肢があり、分子標的薬を組み合わせることもあります。まずは、1次治療から開始し、薬剤の効果が低下した場合は2次治療、3次治療を順次に治療を続けていきます。

どの段階まで抗癌剤治療を続けられるかは、患者さんのQOLなどの状況によっても異なります。

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