小細胞肺がんの治療
小細胞肺がんの治療

小細胞肺がんは、肺がん全体の約15%にみられ、進行や転移のスピードが非常に速いという特徴があります。
小細胞肺がん患者のほとんどが喫煙者で男性に多い傾向にあります。小細胞肺がんは肺がんの中心部分の肺門で発生しやすく、薬物療法や放射線療法が効きやすいといわれています。

小細胞肺がんの分類

小細胞肺がんでは、肺がんの治療方針決定の流れで解説したステージ(病期)分類と併せて、「限局型」と「進展型」による分類も行い、治療方法が決められます。

1)限局型

限局型肺がんの図
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限局型は、がん病変が片側の肺にとどまっているため、局所治療である放射線治療が適応となります。
(1)最初にがんができた部分である原発巣と同じ側に病変がとどまっている(2)がんの広がりが、がんがある肺と反対側の縦隔および鎖骨の上あたりまでのリンパ節までに限られている(3)悪性の胸水や心のう水がみられないことが限局型の条件となります。

2)進展型

小細胞肺がんの進展型
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限局型の範囲を超えて進行している小細胞肺がんが進展型に分類されます。
進展型はがんが広範囲に広がっているため、放射線での治療ができず、薬物療法での治療となります。

限局型小細胞肺がんの治療

限局型小細胞肺がんの治療


限局型小細胞肺がんでは、ステージ1~2Aまでの早期の段階では手術が勧められています。それ以上のステージであったり、手術不能と判断された場合は、化学放射線療法が標準治療となります。

手術(外科療法)

肺葉切除術

小細胞肺がんでは、がんが発生している肺葉を切除する肺葉切除術が基本となります。発覚時にはすでに転移していることが多い小細胞肺がんは手術対象の症例が少なく、手術とそれ以外の治療方法との比較試験も存在しないのが現状です。しかし、ステージ1~2Aでは手術単独や、手術に薬物療法や放射線治療を加えることで、治癒や長期保存を期待できる症例も報告されていることから、推奨されています。
また、術後は再発予防のためにプラチナ製剤併用療法での追加治療が勧められています。

術後補助化学療法のレジメン
・シスプラチン+エトポシド(計4回コース)
・シスプラチン+イリノテカン(計4回コース)

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化学放射線療法

限局型小細胞肺がんで手術の適応とはならないが、全身状態良好(PS0~2)な症例に対しては化学放射線療法が行われます。
小細胞肺がんの化学放射線療法では、放射線治療と薬物療法の時期を分けて行うよりも、早期同時期(薬物療法1コース目の第2回目から開始)に併用する方が良い結果が得られています。ただし、同時に行うことで副作用も強く出る可能性が高くなることが報告されています。
小細胞肺がんの薬物療法は最大計4回クールまで継続されます。

化学放射線療法に併用する薬物療法
・シスプラチン+エトポシド
・カルボプラチン+エトポシド(シスプラチンが困難な場合)

薬物療法

全身状態が悪い症例に関しては、全身状態悪化の原因が小細胞肺がんによるものであれば治療をすることで全身状態の改善を得られる可能性があるため、薬物療法での治療が行われます。PS4のガイドラインで上では薬物療法が勧められない症例に対しても、副作用などを十分考慮した上で、治療により全身状態の改善の可能性があれば、薬物療法の対象になることも考えられますが、特に注意が必要です。
薬物療法中もしくは、薬物療法後に全身状態がPS0~2まで改善した時は、放射線療法の同時併用または薬物療法後に放射線治療の追加も検討されます。

進展型小細胞肺がんの治療

進展型小細胞肺がんの治療

すでに進行している進展型の小細胞肺がんは、手術はもちろん、放射線治療も適応とならず薬物療法が治療の中心となります。
進展型の小細胞肺がんでは、患者さんの全身状態と年齢によって推奨される治療方法が異なります。また、進展型の小細胞肺がんでは細胞障害性抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)が併用されることもあります。


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全身状態良好(PS0~2)、70歳以下の薬物療法

全身状態が良好かつ70歳以下の症例においては、プラチナ製剤併用療法に免疫チェックポイント阻害薬(PD-L1阻害薬)の併用が推奨されています。

全身状態良好の70歳以下で推奨される一次治療

レジメン備考
プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)/エトポシド併用療法+PD-L1阻害薬(アテゾソリズマブまたはデュルバルマブ)PE療法(シスプラチン+エトポシド)かCE療法(カルボプラチン+エトポシド)のどちらにするかは、患者さんの状態や希望を考慮した上で決められます。
PI療法(シスプラチン+イリノテカン)間質性肺炎を有する患者には禁忌
PE療法(シスプラチン+エトポシド)PI療法で下痢の発症が懸念される患者、間質性肺炎の発症が懸念もしくは間質性肺炎を合併している場合にはPE療法が勧められる。

全身状態良好(PS0~2)、70歳以上の薬物療法

全身状態が良好な71歳以上の患者さんにおいても、プラチナ製剤併用療法に免疫チェックポイント阻害薬(PD-L1阻害薬)の併用が推奨されています。尚、70歳以下で推奨されているPI療法(シスプラチン+イリノテカン)に関しては、日本においてエビデンスが存在しないため、推奨されていません。

全身状態良好の71歳以上で推奨される一次治療

レジメン備考
プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)/エトポシド併用療法+PD-L1阻害薬(アテゾソリズマブまたはデュルバルマブ)PE療法(シスプラチン+エトポシド)かCE療法(カルボプラチン+エトポシド)のどちらにするかは、患者さんの状態や希望を考慮した上で決められます。
PE療法(シスプラチン+エトポシド)シスプラチンの一括投与が可能な場合に推奨される
CE療法(カルボプラチン+エトポシド)シスプラチンの一括投与が困難な場合にPE療法のかわりとして推奨される
split PE療法(シスプラチン+エトポシド)シスプラチンを3日間に分割して投与する方法で、シスプラチンの一括投与が困難な場合にCE療法か、split PE療法が推奨される



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全身状態があまり良くないPS3に対しての薬物療法

全身状態があまり良くない小細胞肺がんに対しては、薬物療法を行うことでPSの改善が得られる可能性があれば対象となることがあります。
強い副作用が出るシスプラチンの一括投与をするPE療法や、免疫チェックポイント阻害薬の上乗せは推奨されていません。

PS3に対して推奨される薬物療法

状況に応じて下記いずれかを推奨
CE療法(カルボプラチン+エトポシド)
split PE療法(シスプラチン※3日間に分けて投与+エトポシド)

全身状態が極めて悪いPS4に対しての薬物療法

全身状態が悪い患者さんに対しては、副作用でさらにQOLが低下してしまうリスクが高いこともあり、薬物療法は推奨されていません。痛みなどの症状が出ている場合は、改善するための緩和治療が行われます。

予防的全脳照射

予防的全脳照射とは、初回治療で完全寛解となった患者さんを対象に、脳転移を予防するために脳全体に放射線を照射することです。
予防的全脳照射が推奨されているのは、限局型小細胞肺がんのみであり、進展型小細胞肺がんに対しての効果は確認されていないため、推奨されていません。

お問い合わせ先

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