手術で取り除いて画像上に写らなくなった膵臓がんがまた現れることを再発といいます。そして、がんが進行して周囲の臓器やリンパ節へ広がることを転移といいます。

早期の膵臓がんはほとんど自覚症状が出ないため、発覚した時には周囲の臓器へ転移していることがほとんどです。他の臓器へ転移している場合や再発時は手術はできないため、化学療法での治療が中心となります。

術後の転移・再発の膵臓がん

限局的で少ない数の転移で、膵臓がんの進行が遅い場合は再度切除が行われることもあります。切除は膵臓のみの再発病変であれば、予後延長効果が得られることが報告されています。
肺への転移再発に関しても、慎重に検討する必要はあるが、切除という選択が行われることがあります。

膵臓や肺以外の転移に対しては、切除を行っても予後が不良であることから、ガイドライン上では推奨されていません。

術後化学療法中または終了直後に再発・転移した場合

術後の化学療法はS-1という内服の抗がん剤が使われます。
S-1を服用中または終了直後に再発・転移した時には、一次治療で使う下記1~3いずれかの抗がん剤が使われます。

  1. FOLFIRINOX療法
  2. ドセタキセル+ナブパクリタキセル併用療法
  3. ドセタキセル単独療法

術後化学療法の終了から長期間経過後に再発・転移した場合

患者さんの体力や病状を考慮して、下記1~4いずれかの抗がん剤が使われます。

  1. FOLFIRINOX療法
  2. ドセタキセル+ナブパクリタキセル併用療法
  3. ドセタキセル単独療法
  4. S-1単独療法

上記1~4の抗がん剤で効果が得られなかった場合は患者さんの状況に合わせて薬剤が選択されます。

■1.FOLFIRINOX療法か4.S-1を使用した場合

―ゲムシタビン関連の薬剤を使用→ゲムシタビン+ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン単独療法

―MSI陽性又はTMB-Highの場合→ペムプロリズマブ(キイトルーダ)単独療法

―NTRK陽性の場合→エヌトレクチニブ単独療法またはラロトレクチニブ単独療法

■2.ドセタキセル+ナブパクリタキセルか3.ドセタキセルを使用した場合

―5-FU関連の薬剤を使用→5-FU+イリノテカンまたはFOLFIRINOX療法またはS-1単独療法

―MSI陽性又はTMB-Highの場合→ペムプロリズマブ(キイトルーダ)単独療法

―NTRK陽性の場合→エヌトレクチニブ単独療法またはラロトレクチニブ単独療法

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膵神経内分泌腫瘍の転移・再発

膵神経内分泌腫瘍(膵NET)は、転移を有していても腫瘍の増大が数年間みられない症例もあり、悪性度は膵臓がんと比べても低いといわれています。再発・転移(肝臓、肺、腹膜、腹腔内リンパ節転移)に対しては腫瘍遺残のない切除ができる場合は、切除を中心とした治療が推奨されています。

手術が難しい場合は薬物療法が行われます。使用する薬剤は腫瘍の悪性度(Ki67指数などを参考)、腫瘍量、転移の有無、合併症の有無、全身状態を考慮して決められます。

膵NETで使われる抗腫瘍薬
・ランレオチド(商品名:ソマチュリン)
・エベロリムス(商品名:アフィニトール)
・スニチニブ(商品名:スーテント)
・ストレプトゾシン(商品名:ザノサー)

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さまざまな症状を改善するために

膵臓がんでは痛み、栄養障害、がんによって胆管が塞がり胆汁が滞って眼球や皮膚が黄色くなる黄疸など、さまざまな症状が出てきます。これらの症状を改善することが、とても大切です。

痛みの症状を改善する方法

鎮痛薬や医療用麻薬のオピオイド鎮痛薬の服用でまずは痛みを軽減します。腹部お重苦しさなどの症状に対しては、医療用麻薬や麻酔を用いた神経ブロックが有効な場合もあります。医療用麻薬や麻酔と聞くと抵抗を感じて我慢してしまう方もいますが、用量はきちんと管理されており、心配する必要はありません。
痛みを上手にコントロールしながら治療成績を上げるためにも医師・看護師に相談しましょう。

黄疸を改善する方法

黄疸が出ている間は化学療法などの治療を受けることはできません。そのため、黄疸が出たら胆道ストレージやステント留置術で胆汁の流れを改善させる減黄療法が行われます。黄疸の改善は患者さんの生活の質の改善にもつながります。

がん悪液質に対する治療

がんが原因で起こる体重減少や食欲不振など、さまざまな代謝異常を伴うことをがん悪液質とよびます。
進行している膵臓がんではがん悪液質が起こりやすく、治療にも大きく影響が出てしまいます。膵臓がんのがん悪液質に対してはアナモレリン(商品名:エドミルズ)という薬剤が承認されています。

がん悪液質に対しての治療は速い段階で行うことで、治療成績の向上、そして予後にも大きな影響を与えます。
アナモレリン(商品名:エドミルズ)を使えるかどうかは、担当医に確認してください。

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